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| 太陽光発電 | ||||
(株)ミサワホーム総合研究所 エコエネルギー研究室長 栗原 潤一 |
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はじめに |
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| 1970年代に開発が始まった太陽光発電は、当初は製造コストが、かなり高く、1970年代の後半でも発電能力1W当り3〜4万円もしていた。そのため、古くは人工衛星や無人の灯台、山小屋等、いわゆる商用電源が得られない場所での使用が中心であった。その後、関係者による研究開発と国をはじめとする関連機関による普及促進の努力により、製造コスト低減と性能向上のための種々の工夫が検討され、現在の製造コストは当初の1/100程度にまで下がってきた。 太陽光発電は、太陽エネルギーの利用方法としては必ずしも効率が高いわけではない。一般には、熱として利用する方が効率は高い。しかし、電力が得られるところに大きな魅力がある。電力であるために、その後は何にでも利用でき、余剰分の電力会社への逆潮流も可能である。 ここでは、主に建築の側から見た太陽電池の現状と、これからの要望について述べる。
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建築への適応 |
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| 建築の立場から太陽光発電を考えると、太陽電池は太陽エネルギーを利用するための装置としては、その中を流体が循環するわけでもなくその形状が単なるガラス板に近く、建材的な感覚で捉えやすい。また、以下の特徴のうちのいくつかは建築の側からみてなじみやすい。 | ||||
| ・電力が得られる | ||||
| ・駆動部分がなく運転音がない | ||||
| ・メンテナンスがほとんど要らない | ||||
| ・設置面積に合わせて設計できる | ||||
| ・化石燃料の消費がなく廃棄物も出ない | ||||
| ・発電電力は直流である | ||||
| 太陽電池に対しては、製造コスト低減や性能向上については、発電コストが通常の商用電源の電気料金と同等以下を目標とするような他の分野での利用と同様の要望の他にさらに、建築としての要望もある。 | ||||
建築材料として |
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太陽電池は屋根材や外装材として考えやすく、特に住宅の場合は日射が得やすい部位として屋根に屋根材として考えやすい。しかし、屋根材として扱うためには当然通常の屋根材が備えている防水性や防火性が必要である。さらに、建物の耐震性を考慮すると屋根材は軽量化が望ましい。図−2に最近の太陽電池の性能の一例を示す。同図によれば、太陽電池のシステムが防水性、防火性を備えさらに陶器瓦やスレートに比べ軽量であることが謳われている。
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設置方式として |
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太陽電池を建築、特に住宅の側から考えると材料としての面と同様に、太陽電池を設置することが通常の屋根材を設置した場合と比べ躯体に対する構造上、耐久上の問題がないことが必要であり、設置方式としては屋根の上に屋根材に穴を開けて架台やレールを取り付けるのでなく、太陽電池自体を屋根材として設置する方式が望ましいと考えられる。そのためには、太陽電池自体の形状も直接の設置を意識したものが必要になる。特に住宅の場合は、寄せ棟等、太陽電池設置面の形状が矩形とは限らず、矩形の太陽電池のみでは効率の良い設置ができない場合がある。図−3および図−4はそれらを考慮した住宅用太陽電池システムの例である。図−3の例は、屋根の形状に合わせて、両サイドに三角形の太陽電池を利用するシステムである。
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図−4の例は幅の狭い太陽電池で屋根形状に対応するシステムである。いずれも、住宅の屋根としても違和感が少なく限られた屋根面積を有効に利用するという意味でも工夫された例といえる。
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新しい建材として |
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さらに光を透過する発電する建材として、利用されている例もある。図−5は黒部市の「生地特定公共賃貸住宅」において、バルコニーのスパンドレルに使用された例である。図−6はドイツの「ミュンヘン工科大学」の採光屋根に用いられている例である。いずれもガラス基盤で太陽電池による発電と採光の両方を得たいという考え方である。
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これからの太陽電池 |
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| 今後も太陽電池に対する期待は大きく、当然より一層の製造コストの低減、発電効率の向上等が望まれるが、合わせて、設置する側の建築に取り込みやすい形状・仕様等の製品化も必要である。 太陽電池は、微結晶SiC薄膜太陽電池、カーボン系薄膜太陽電池、有機薄膜太陽の開発が進み、形状もフィルム型やファイバー型等多様なものが開発されてくるものと思われる。建築で使用する形態の自由度が増してくるものと期待している。 さらに、太陽電池単体ではなく太陽光発電システムとしてもより建築のニーズに配慮されることが望まれる。一例として、図−7に住宅用システムの非常時の自立運転の例を示す。太陽電池を設置した建築(住宅)は、大規模震災等の非常時には当然、日中晴れていれば、自立運転により発電電力を使用したいので、これらにエンドユーザーが対応しやすい機能の設計とエンドユーザーへのアピールが重要である。また、システムとしては、蓄電による有効利用もニーズのひとつと考えられる。パソコンや在宅の医療器具使用時にはほしい機能である。蓄電部分の耐久性やコスト等、さらに研究開発を必要とする部分も含んでいると思われるが、建築側からは望まれる機能の一つではないだろうか。 太陽電池は、発電装置であるが、これからはより建築を意識したシステムが市場に出てくるものと思われる。
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このコンテンツは、ALIA NEWS Vol.89(2005.9)から、原文のまま掲載しております。 |
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