最近の傾向
従来、高層建築物等高い揚程が必要な建物には、高置タンク方式が多く採用されてきました。近年、躯体構造を含めた建築費のコストダウン、スペースの有効利用等のニーズに対し、機器の信頼性向上により、給水ポンプシステムの採用が主流になってきました。
最近の竣工済あるいは計画中の超高層ビルでは、ほとんどの場合、回転数制御方式による給水ポンプシステムが採用されており、給水圧力により低層階用、高層階用等給水ポンプシステムをゾーン分割する方式が採用されています。30階程度までは、1~2ゾーン分割方式、40階以上では2~3ゾーン分割方式が多く採用されております。
また、増圧直結方式は、これまで1台の増圧ポンプで給水する高さには制限がありました。都市部を中心に、複数の増圧ポンプを直列に設置する方式(直列多段型)が導入され、従来は受水タンク方式でしか給水できなかった高層階にも、直結給水が可能になっています。
給水ポンプシステムでは、BluetoothやLTE回線等の無線通信を利用して、ポンプの運転状況や発生中のエラー、その履歴など、さまざまな情報を簡単に確認できる通信機能を搭載した製品が開発されています。
回転数制御方式(インバータ方式)
従来、回転数制御方式は、中規模建物や大規模建物を対象として、多く採用されてきました。 近年、省エネニーズの高まり及び小型インバータの開発により、小型圧力タンク制御方式から小型回転数制御方式(インバータ方式)へと主流が変化してきております。
実施例 回転数制御方式
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増圧直結方式(増圧ポンプ方式)
増圧直結方式は、平成7年頃から各水道事業体で本格的に導入開始され、現在では全国主要都市で採用できるようになりました。
近年では、設置台数も年間約1万台の市場となり、給水ポンプシステムの約2割を占める程になってきています。
増圧直結方式
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通信機能付き給水ポンプシステム(増圧ポンプ方式)
ポンプの運転状況などの情報を確認する際は、計器をみたり、盤面を操作したりしています。通信機能付き給水ポンプシステムでは、スマートフォンやタブレットから簡単にそれらの情報を視覚的に確認できるため、保守点検業務の効率化・省力化が図られています。(①)
また、24時間ポンプの運転状況をリアルタイムに監視し、ポンプの異常発報時に遠隔に移報し、トラブルを速やかに検知することで、安心の提供に一翼を担っています。(②)
一般財団法人ベターリビングでは、「より良い社会の実現に寄与する特長」を備えた機器として、通信機能付き給水ポンプシステムを社会貢献優良住宅部品(BL-bs部品)と位置づけ、認定制度を開始しています。前述の(①)を随時点検型給水ポンプシステム、(②)を常時監視型給水ポンプシステムとして区別し、SDGsの貢献活動に取り組んでいます。








